四柱推命とは?③中国式四柱推命について

四柱推命の流派・種類 続き

四柱推命には大別して3つの括りがあると前回はお伝えしました。

今回は中国式について記します。

中国式の四柱推命

日本式の四柱推命を勉強するとちょくちょく「あれっ?」と思う命式の書き方や、捉え方に出くわすと思います。

簡単に言うとそれが中国式に括られるものですが、実は中国式というのも日本での造語です。

そもそも中国式と呼ばれる括りは、武田考玄師が本線の中国の原典に立ち返ろうと日本に八字(子平)の命理の考え方を広めようと尽力したのが大元とされています。

その考え方を学んだ方々がそれぞれに自分の研究、検証結果を交えて継承、拡散されているのが中国式です。

つまり、日本人の手で作られたのが「中国式」という訳です。

こちらの命式の女の子がいたとします。

時日月年
甲甲癸癸
戌戌亥卯

ここまではどの方法でも同じでしょう。

大運 (女命 順行)
0- 7歳 癸亥
8-17歳 甲子

喜神:● ●
忌神:★ ★ ★

この様な書き方をします。
個々の占い師なりの書き方の話はこの際無視して下さい。
項目としてこんな風に書くと思います。

(※喜神と忌神を伏せたのは、コレがまた見方が中国式の中でも異なり、無用の脱線話になるのを避ける為です。)

強いて言えば日本式の中の安田流で用いる五行の分布図を応用した様なものを書く占い師もいるかもしれません。

はぁ?正官とか帝旺とか何か色々あったのはどこに行ったの?

と思われたことでしょう。

四柱推命というのは日本語の造語です。
中国では八字(他にも呼称あり)と言います。四柱とみるのか、八字とみるのか…。
これがまず日本式と中国式の違いをよく表しているのです。

命理・推命とは?命を推すということ

続いて、命理とは何か?ということですが、

「人には努力だけでは何ともならないことがあり、ある程度生まれた時から決まっていることがある。それを地球の構成要素である五行…木火土金水…を天と地に当てはめて分析してみようじゃないか。」

ということです。

つまり、自分自身は日干とみるのは日本式と発想は変わりませんが、天があり地がある、そこに陰陽五行の理屈を当てはめて表記をし、天地一体、つまり八字全体を一つと捉えて格(格局)を決めます。

そしてこの格自体には吉凶の意味は一切持たせません。この格なら何が強くて何が弱いか、欲しい五行はどれか…という考え方をします。長所短所は表裏一体ということですね。

どんな人間にも長所と弱点があります。それを八字全体から割り出し、後天的に巡る運勢の循環と重ね合わせて色々なことを推し量る、つまり推命するというのが中国式です。

日本式は四柱推命を構成するパーツに意味や吉凶を持たせて占断します。

中国式はそうではなく、大きな枠組みから陰陽五行のバランスをみて、長所や吉運の時、あるいは短所や凶運の時をみて現実の対策や選択に活かすというものです。

なので分かりやすく例を挙げますと、上記の命式の女の子がお年頃になり、

Q:こんな男性と最近知り合ったんですが、どうでしょうか?
あ、お相手の生年月日は2021.11.27です。生まれた時間は分かりません。

時日月年
?己己辛
?卯亥丑

こんな命式の人です。

日本式A:最高ですよ!バッチリです。

中国式A1:時柱(生時)が不明なので精度は落ちますが、この範囲だけでも少々注意が必要ですね。あまり即断せずに相手のことをよく知ってからにして下さい。

中国式A2:時柱が不明なので占えません。

こんな違いがあります。これがお客様を混乱させる理由のひとつでもあるのです。

中国式の見方は、陰陽五行のバランスとそこから導き出す長所と弱点、欲しい要素と要らない要素を見ます。

パーツの吉凶で占断することはしないので、この例の様な答えになる訳です。

いいか悪いかを当てようとする日本式と異なり、弱いなら弱い、悪いなら悪いで現実の対処をどうしましょうか?に繋げるのが中国式の考え方です。

中国式四柱推命では天中殺・空亡は見ない

「占いは娯楽でも当てモノでもない…というのが私どもの考え」
というのは、実はこの中国式の考え方からきているのです。

もっとも、占いは娯楽でも当てモノでもない…というのが私どもの考えですので、当たる・当たらないという言葉も便宜上使うことはあっても、「類型に当てはまる」ということを指すものであり、いわゆる当たった外れたという意味ではありません。

また、パーツそのものに意味がないこと、推命するという考え方をとる中国式四柱推命には、日本式の四柱推命とは大きな違いがあります。
考え方の枠組みと、ある考え方を採用するかしないかです。

運命論か立命論か?
→中国式四柱推命は立命論だと言えると思います。
ある要素があるから上手く行く、行かないや、この時期は何をやってもダメ、などと断定することがほぼないのと、持って生まれた要素をどう生かすかという考え方をするからです。

天中殺・空亡を採用するか?
→中国式ではこの考え方は採用しない方が多いと思います。
空亡というものについても、これに関しては解釈の仕方が流派毎というよりも、鑑定者毎にまちまちの感があります。

神殺を使うか?
→中国式では見ないことがほとんどかと思います。
特殊星とも言いますが、何度も挙げた命式の例ですと、月支が亥で日干や時干に甲があるから月徳貴人とするようです。
しかし陰陽五行の理からみて、何故そこに吉意があるのかが分かりづらいと思う次第です。
時柱は無視する神殺もあり、そのあたりの一貫性の無さも個人的には引っ掛かります。

なお、個々の占い師レベルでは自分で検証してみて納得して複数の手法を取り入れているケースもあることはお断りしておきますが、日本式の四柱推命の考え方と、中国式とのその違いを何となくお分かりいただけたでしょうか。

次は子平推命、について触れてみましょう。

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